物語る役者

『風のセールスマン』、千穐楽。

今回の上演では、毎回、舞台上に、テキストに描かれたその人(オキモト・シンジ)と、演じているその人(龍昇)のふたりがあらわれて、それぞれがそれぞれの物語を観客に語りかける。

以前、黒テントで仲間たちと「物語る俳優」を追い求めていた頃、どうしても手が届かなかった「何か」にようやく指先が触れたよう。

若葉町ウォーフウォーフと言う空間にとっても、龍さんともども苦労して施設を維持してきた5年間という時間にとっても、今回の上演は得難い存在証明のひとつを獲得した。

三日後(16日)の『控室 Waiting Room』に向けて、もうひとり、渡辺修さんとの二人三脚が最終コーナーを曲がる。


(写真 姫田 蘭)

佐藤信の五行日記

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