絶滅危惧種のような

1967年秋、アンダーグラウンドシアター自由劇場の旗揚げ公演として、処女作『イスメネ.地下鉄』の上演で、作者兼舞台監督というパンフレット表記が当時のうるさ型の評論家の顰蹙をかい、あり得ない二足のわらじと面と向かって顔をしかめられたのを覚えている。

当時、一人前とはとてもいえなかったが、劇作家とは違って舞台監督まわりの仕事では結構忙しい毎日を送っていたので、なにか不満にも思ったし、「あり得ない」の意味がよくわからないとも思った。

舞台監督の仕事には、演出では決して味わえない、独特の「達成感」がいくつかある。

『星の王子さま』の残り一週間分の稽古と、初日から千穐楽までの詳細スケジュール表を、なんちゃって舞台監督としてつくりながら、たとえばこの時間の読みがすべてうまくあたっていた時とかねと、ひとりごちる。

ちなみに、 作成した表には、半世紀の間に舞台用語にまぎれこんできやがった「G.P.」なるドイツ語ではなく、古風に「舞台稽古」と、謹んで書き記した。


『星の王子さま』

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佐藤信の五行日記

小人閑居為不善 うつけもの ひまのまのまの だだあそび

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